夏休みの宿題をいつするか?は、我が家では定番のわたしのモヤモヤの光景でした。
何と言っても、男子3人を育ててきました。宿題は夏休みだけでも、ざっと、33回は経験していることになります!(小学6回・中学3回・高校2回)×3人分
夏休みの宿題や課題をどうするか?は、子育て中、そして特に男の子のお母さんにとっては鉄板&定番の悩みですよね。。。
家庭平和のためにもあなた自身のストレス回避のためにも、こんな子育てもアリ(笑)でいいんじゃないかな〜ってことを書いておきますね!
夏休みの宿題は「やってる」「やってない」の問題にしない
以前、受講生の方が「中学1年生の息子が、夏休みの宿題を全くしないんです!何と言ったらいいですか?」と尋ねられたことがありました。
その時 「全くしないんですか?」と聞く私に、「はい、全然なんです。」という受講生さん。
でもね、話を聞いていくと、どうも違うようなのですよね。全然宿題をやっていないわけじゃあなくて「ちょっとは」やってる場合もあるんですよ〜。
ただ、お母さんの思うようには やっていないのですね。←ここ、わかります?
夏休みの宿題について「親子バトル」が起こる時、意外と多いのがこれです。まず、親子で認識が違っている。
とてもキッチリとした几帳面な方でした。小学生の頃は、夏休みの過ごし方や計画表などは、夏休み前に立てて、夏休みに入ったらその計画表通りに進める、ということを当たり前にされていたようでした。
これがお母さんにとっては「正しい宿題のしかた」なんです。
親と子は、そもそも「宿題の捉え方」が違う
子どもは「宿題やってる」お母さんは「宿題やってない」。
そもそもの認識のズレがわかっていないまま、親子のバトルが始まってしまうと、どちらにも「言い分」を主張するだけで、全く意味がありませんね。
「あんた、全然宿題やってないやん〜」
なんて言っても、ムダですね。だって、子どもさんは宿題を ”やってる” のですから・・。
「やってるで〜」
「やってないやん〜 見せてみい〜」
「ほら」
「・・どこがやってるねん・・ こんなん、やってるうちに入らん!」
「なんでやねん、ええやんか〜」
「あかん、あかん・・・」
・・・なんて、なるのでしょうか????
こんな漫才みたいな関係(笑)は、まだいいんです。だって、話の内容はどうであれ、とりあえず話し合っていますからね。
問題は、親の問いかけに子どもの反応が薄くなって、何も言わなくなることです。
コトバのちょっとした行き違いから親子関係のズレがはじまる
親は、子どもに宿題をやる気になってもらおうとして、声をかけるのですよね。ですが、親がちょっとした声のかけ方をミスるところから、親子のバトルは起こっていくんです。
「やってる」「やってない」親と子のどちらが正しいか?の臨戦態勢に入ってしまうと、言っても言っても、からまわりが起こります。
「もう、わかってんの〜??? あんたのことやねんでえ〜(激怒)」
何も言わず、ポーッとした顔を見ていると、わかってんのか、わかってないのかわからなくて、イライラ・ヤキモキさせられるうちに、どんどん言葉がエスカレートしてくる(-_-;)
「はっきり言ってみ〜」
「全くあんたは、なに考えてんの〜?」
「もう、スマホばっかりやってるからなんとちゃう?」
「お小遣い、やらへんからな〜」
「ゲーム・携帯は禁止よ!」
宿題以外に、普段気になっている生活態度に非難が「飛び火」する・・みたいになっていませんか????
知らないうちに傷つけている子どもの自尊心
私が「ああ、もったいないなあっ」と思うのは、この言い方では、子どもは全くやる気にならないし、かえってやる気を殺いでいることが多いことです。
親は、ただ「宿題が間に合うか心配」なのかもしれません。でも、この言い方では親子ともに感情論となり、言い合いになってしまいます。
その時、親はもれなく、子どもの自尊心を傷つけています!!!!すると、子どもの「防衛装置」が働き始めます。とても冷静な思考ではいられなくなり、傷ついた心を立て直すために、いろいろな手立てが始まります。
やりたくないことを、やるって、エネルギーが要るんです。でもやりたくないわけじゃないんです。ただの、エネルギー不足なのかもしれません。
こんな時に、親の「なんでやらないの?」は、全くの逆効果。そもそも「宿題を心配する」という親の愛情が伝わっていませんし、それどころか「やる気」をそいでしまってるのです。
ますますエネルギーが枯渇して、何もできない状態、”ヘタレ”を強化しています。
お母さんとのやり取りは、子どもにとってかなり消耗します。なので「宿題をやる気モード」にエネルギーをかける事からは、ますます遠ざかってしまっていますね。
一度”悪循環”に陥ってしまうと、子どもは「親のせいでやる気が起こらへん」などといい、責任転嫁の姿勢にしてしまうこともあるのです。
親になにができるんだろう?
じゃあ、どうすればいいの??
放っておいていいの?
私は、ヘタレな男子には育てたくなかったので、ここは、かなり意識して子どもに対処してきました。
やる気が育つ、やる気をへし折らない、言い方は、親業訓練で学んでいたので、とにかくそのメソッド通りに言えるよう、自分の言い方を集中して改善してきましたよ。
8月31日は集中力を訓練する日!とわりきってみる
ここからは、私の例なのですが、
我が家では、始業式の朝ギリギリまで宿題をするのは、恒例行事でした。忘れ物は3人ともに日常的なことでした。
でも、彼らの話を丁寧に聞く中で、子ども達は「宿題が嫌い」なのですが、「はじめっから宿題をやらないで行く」という度胸もなかったことがわかりました。
意外とマジメ(笑) そして、彼らが宿題をやらない時は、ずるずると時間が過ぎていたしかたなく忘れる、とか、宿題の存在自身を忘れていた時でした。
なので、宿題をやる意志はあるし(かろうじて?)、やらないとアカンってことは、実は本人のほうが、ずっとわかっていたようです。
私は彼らの本心を知れて、「なるほど」「じゃあ、問題はいつ宿題をやるのか?だな」と思いました。
これは我慢比べでした。
彼らは彼らなりに、宿題に手をつけるギリギリの日数を計算しているのです。それがまあ、超超超甘いのですが・・!
シャーペンの芯が途中でなくなるとか、ノートがキレるとか、「想定外のことが起こり予定は狂う」ということは考えてません。書初めの画仙紙はいつも家に常備していると思っていました(多分)。なので、夜中に「あれ?ないの?」なんて慌てることも、茶飯事でしたね。
私は、宿題は「子どもが自分の責任でできるようになる」を目標として扱っていましたので、ここはハッキリと「問題の所在者」を明確にして「彼らをサポートすること」を徹しておきたいと考えていました。
夏休み後半の彼らの姿を見て、イライラする日々を過ごしていた時期もあったのですが、そのうち私は、あまりにも集中して宿題をする姿を見て、「ああこれは、わざと溜めてギリギリに宿題をしているのだ」と思うようになりました。
溜めて溜めて溜めて、自分を追い込む。
そうでもしなければ、気分がのらないんだろうな〜
宿題をするって、ムツカシイんだろうな〜
自分が宿題をサボり倒した経験を思い起こしながら(前述のお母さんとは違うタイプだわ)そんな風に考えて。
なので、夏休み後半は、集中力を強化する日だと考えるようになったんです。
そして、毎年同じ風景が繰り返される、、、ってことは、うちの子は、ほとんど「学習」しなかったのですね。
「え?親が思うほど、子どもは困っていないのかも????」←そう思えた時、彼らはこの状況を受け入れていたのだと思いました。←親も鍛えられる(笑)
この状態を続けていくと、夏休みの最終日がちょっとした「イベントデー」みたいになります(笑)
高校生くらいになると、課題の量が莫大ですから、彼らもかなり追い詰められていました。お尻の火がボウボウと燃えて、真っ赤っか。
もう、強制的に宿題モードに入らざるを得ません。
息子は「3日間徹夜で宿題を仕上げて、オレは寝てないんやで~」と、謎の自慢話をしてました。けど、私は「そんな集中力があるんや〜、その集中力はこれからの勉強のに立つだろう」と、とそんな風に考えることにしました。
私は、勉強はとにかく 集中力 が大切だと思っているので、”ギア” が ”トップモード” に入っている図は面白いです。
眼の色が変わって、必死な姿でした!
経験こそ宝になるから、しっかりと困ってもらう
子育ては、「経験こそ宝」だなあと、つくづく思います。
たいていの親は「大変なことにならないように」と、「予防」に躍起になりますよね。ですが、「災害を想像して、未然に防ごう」なんてことは、子どもには、結構高度なことなんだなあと、これも子育てを通して知ったことです。
ま、大人だって同じかもしれません。病気になって初めて健康の有難さがわかるもんです。
痛い目に遭って、「ああ〜やっぱりあの時、○○しておけば良かった〜」と、初めてわかることがあります。
でも、子どもは理解できないでしょう。だって子どもには「困る経験」がないのですからそもそも想像もできないのです。
親は人生の中で、災害に実際にあって、痛い目に遭ったんでしょうね。だから、子どもに伝えたくなるんですね。そして、どんなに嫌われても言ってしまうわけですよね。子どもの為に。
でも、どれほど親が「力説」しても、子どもには届かないこともあるのです。住んでいる世代も環境も経験も全く違いますから、ピンとこないんだと思うのです。
結局、一番望ましいのは、痛い目に遭うのを防ぐには、子どもがちょっとした痛い目に実際に遭い、その”痛さ”を実感すること!だと思います。
”痛さ”を知らないと、「あれは、もうゴメンや〜」「もう、コリゴリ〜」と思いません。
なので、”防ごう”という”気”も、起こりようもないのです。
我が家の場合も、
「一日でやるのは、大変だから、来年はもっと早くから取り掛かろう」と思って欲しいと思っていても、
「なんやかんや言っても、一日でできたなあ〜」と思っていたのかも知れません。
それもね、紛れもない事実。どう思うか、どう感じるかも、この子次第でありそれも成長のうちだと思っていました。何と言っても私の宿題ではないのですから〜
そして、親が「放任」(←親が解決しない)を決めたら、子どもも案外頑張るものです。
自分しか「やる人」がいないと気づきます。
「あれは、もうゴメンや〜」
「もう、コリゴリ〜」
自分で気づくためにも「経験こそ宝」です。
ちなみに、我が息子たちが、夏休みの宿題を夏休み中に仕上げたのは、二男が一度だけ。
それほど、宿題の存在に抵抗していたのでしょうが、ここも彼らが「イヤな宿題にどう折り合いをつけていくか」という彼らが乗り越えるべきことです。
子どもの問題を取らないことが実は一番むつかしい
子どもを見守り、口を出さないことは本当にとても忍耐のいることです。
シンドイ時もありましたが、でも、今では大正解だったと、そう思います〜
勉強や、習い事、部活など、親はノータッチ、ノーチェックでも、子育ては問題ありませんでした!
むしろ、本当に痛い目に遭わせたくないなら、子どもが小さいうちに、火が小さいうちに経験するのがおススメです。
火傷するかもしれませんが、大丈夫。だって、そのために親がすぐ近くにいるんですもんね。
火傷しなければ、火傷の怖さは気づけません。
子どもが成長してからは、問題も火も大きくなります。
一番怖いのは、大火傷を負っているのに、親が何も助けてあげられないことですね。
そして、この火傷の”痛さ”は、問題の種類や内容は変わっても、誰もが、人生のどこかのタイミングで味わうようになっている気がします。
夏休みの宿題の問題は、子どもにとっても困難に対処する方法を身に付けるチャンス!
今の子どもたちは、困難を経験する機会が少ないような気がします。
子育てに困っているお母さんのほとんどは、「子どもはのん気でフラフラしてて、まったく困っていない」と悩んでいるのです。
だけど、それは、子どもが困っている時の問題を親が今まで肩代わりしすぎてきた結果ではないかな、と思えるのです。
子どもの、困ったり悩んだりする現場を見ると、親はつい、手を差しのべたくなりますが、それが本当に本人が望んでいるのか?よく考えて下さい。
機会を奪わないでいると、彼らは、何か解決策を考え出します。
自分の問題に折り合いをつけることで、人は成長します。
夏休みの宿題は、子どもが問題を抱えるチャンス!
あなたがイライラして問題を先取りすると、子どもはいつまでも依存的なままではないですか?
是非、新しいやり方を身につけて、あなたが子どもや宿題の見方を変えていきましょう!
見える景色が変わるかもしれません。
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