「生徒が言うことを聞かない」「保護者対応で疲れる」――教師なら誰もが経験する悩み
教室で「また言うことを聞かない…」と、つい声を荒げてしまった経験はありませんか?
保護者対応で板挟みになり、授業に立つのもつらい…そんな瞬間、教師としての自信まで揺らぐこともあるでしょう。
多くの教師が同じ悩みを抱えています。しかし、叱るだけでは生徒は動きません。
必要なのは、生徒が自ら考え、自ら行動する力――自律心を引き出す関わり方です。
なぜ叱るだけでは動かないのか
内的動機づけと自律心の関係
生徒が従わないのは、単なる「わがまま」や「反抗」ではありません。
人は、自分で選んだと感じた行動にしか力を発揮できません。幼い子どもや、自律心が育っていない子どもなら、なおさら!です。
つまり、内発的動機づけと自律心が働く子どもを育てたいなら、大人の関わり方を今までとは根本的に変える必要があります。
対話型の関わりで自律心を育てる
自律心を育てるため大切なのは、「思考させる型」の関わり方です。
例えば、
①質問の仕方を変える
例:「なぜやらないの?」➡「どうすればやりやすくなると思う?」
②小さな選択肢を与える
生徒自身が決めた選択肢には責任感が生まれ、行動に変化が出ます。
例:「早くやりなさい」➡「この順番でやる?それともこの順番?」③承認とフィードバック
小さな成功体験をその場で認めることで、自己規律心も育ちます。
「やってみたんだね、素晴らしい」とその場で承認。
これだけでも、生徒は自分で動く力を少しずつ実感します。
親業・教師学の知恵を現場で応用
親業で培われた「子どもの心の扉を開く対話」は、教師の現場でも使えます。
①「なぜやらないの?」
➡「どうすればやりやすくなると思う?」
➡「やりたくないみたいだね」「進んでないみたいだけど、どうした?」
②「早くやりなさい」
➡「この順番でやる?それともこの順番?」
➡「先生は君に決めて欲しいんだよ。どう?できる?」
③「やってみたんだね、素晴らしい」
➡「やってみたんだね、できて嬉しいね」
教師が生徒を評価する会話から、本人の中の達成感を味わう会話へ徐々に移行
さらに深く学びたい教師の方には、教師学講座をご用意しています。
温かさと厳しさを両輪に、生徒の自律心を育てる具体的な実践法を学べます。