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高校生息子に「学校に行きたくない」と言われた時どうする?親の心がまえと言いがちな12の言い方

高校生息子に「学校に行きたくない」と言われた時どうする?親の心がまえと言いがちな12の言い方
高校生の息子が突然「学校に行きたくない」と言い出したら、親はどうしたらいいのでしょうか?

毎年5~6月頃、おかん塾には高校に入学して「学校に行きたくない」と子どもに言われたお母さんからの相談や問い合わせがあります。中学生の頃までは素直だった息子さんが、突然人が変わったように「無気力」になったり、時に「反抗」にあうと、親としてはビックリしますよね。

なぜ?
受験が悪かった?
友達が悪いの?
それとも、ワタシ?夫?子ども??

何が悪かったんだろうと「原因探し」に頭がグルグル。。。。。

こんな時、私は「親業訓練」で具体的な親の関わり方について学ぶことをおススメしています。親業訓練は不登校児専門の講座ではありませんが、親子関係を再構築する大きなヒントが得られる講座だからです。

インストラクターを17年している私ですが、実際に3人の息子たちを育ててきた母親でもあります。実は子どもが苦手だった私は、いつか息子たちに「学校に行きたくない」と言われるのではないかと、ヒヤヒヤしていました。

「学校に行きたくない」と言う時、子どもの心に一体何が起こっているのでしょうか????

本格的な「不登校」になる前に、できれば早いうちに子どもの心の成長に効果的な関わり方について知っておきたい方へ、この記事では、そのヒントをお届けします。

1、子どもに何が起こったのか?わからないから悩む 

なぜ、この子は変わってしまったの?

不登校問題は、とても他人事ではありませんでした。


子どもが高校生になると、子どもが急に動かなくなってしまうケースが増えています。子どもはエネルギーが枯渇したようにバタンと動かなくなってしまうようです。


ただ、学校に行かないだけでなく、まるで人格まで変わってしまったような変貌ぶりですから、親は気が気ではありませんよね。


当然、親子関係にも変化が起こります。


今、無気力になり、学校へも行けなくなる子どもは増え続けています。


幸い息子たちは3人共に、「学校を休む選択肢」はなかったようなのですが、それでもかなり身近な問題でしたよ。


特に、息子の小学校時代の友人が「高校を留年して退学した」と聞いた時は心が痛みました。なぜなら彼は、小学生時代は「ムチャクチャいい子でマジメで勉強好き」だったからです。


息子が小学5年生の頃、よく「○○君ってすごい賢いねん」「○○君は勉強が好きで好きで、お母さんからもう勉強したらだめだよって注意されるくらいやねんで〜」「休み時間も本を読んだり勉強していた」と話していました。

 

息子にとってはとても誇らしい友達だった彼。その彼が、中学3年生頃から徐々に何事にもやる気がなくなっていたそうです。でも、それまでの「学力の貯金」があったため地域内の進学校に入学しました。ですが、圧倒的な勉強量についていく気が起きず、ある時「学校に行きたくない」 と親に言ってみたそうです。


すると、意外にあっさりと「休む」が通ったそうです。

「え?休んで良いんや」

彼は、その時「学校は意外と簡単に休むことができる!と知った」そうです。その後、学校を休む回数が増えていき、3学期はほとんど通学せず、そして留年、退学となった、と、

息子は淡々と話してくれました。  

 

親の「ひとこと」に振り回される子どもたち 

さて、これを聞いてどう思いますか?あなただったら、どうするでしょう。

 

高校生の子どもを持つ親なら、一度ぐらいは「学校に行きたくない」と言われるか不安になったり考えたりしたことがあるかもしれません。とても他人事とは思えませんよね。

  

「学校へ行かなければいけない!」

  

彼の立場を考えるとき、今までひたすら辛い時も弱音を吐かずに真面目に頑張っていたんだろうなと思うと、胸がグッと苦しくなります。

 

「学校へ行かなくてもいい」

 

と親が言い出した時、彼はどんな心境だったのでしょうか。


彼はそれまで「親の意向」に沿って生きてきました。なので彼の立場になると、きっと、今までの世界がひっくり返るような「衝撃」だったと思います。彼の中でどれほどの葛藤があったのでしょうか。


それを「あっさりと覆した大人」(←と、彼らには大人の対応は身勝手に思えるかもしれないなどと思ってしまう)

彼の心の葛藤を考えると、親として大人として胸が痛みます。純粋な子どもにとっては大人の「学校に行かなければならない」からの「学校に行かなくていい」はどのように映っていたのでしょうか。



親のコトバがどう響くかは親子の信頼関係によって変わる

じゃあこの時、親がもっとしっかり「学校へ行くほうがいいよ」そう諭していたら、もしかしたらこの子は学校に通い続けていたのでしょうか?

 

本人は、親の対応に「若干驚いていた」そうですから、こころの迷いがあったと思います。

 

でも、親の意向に従っている時点で、自分の判断力が育っていないといえるかもしれませんし、頑張るのは「限界」だったかもしれません。そして、今の不登校対策としては「学校には無理に行かなくてもいい」が主流になっていますよね。


学校に通う意味そのものが変わってきているのかもしれません。


ですが、別の受講生さんの子ども(中学2年)ですが、こんな例もあります。

 

子どもが、ある日突然、学校に行かなくなりました。

 

お母さんは、驚き、会社を休み、子どもの心を傷つけないようにと自分の言動に細心の注意を払いました。この方にとって仕事を休むことは、周りの方にも迷惑が掛かり、第一この方のキャリアにも影響がある可能性がありました。ですが、今、そんなことを言っている場合ではありません!

 

それまでの仕事中心の生活を見直し、子どもの心のケアをしようと、毎日、気を配っていたそうです。ですが事態は一向に改善しませんでした。

 

が、ある日、 所属する部活の顧問の先生が家庭訪問にきて、、、

 

「何やってるんだ!」

 

と、一蹴!あっ気なく、登校再開(@_@)、、、、、

  

何が起こったんやろ?

お母さんビックリです。

 

これを聞いて「じゃあ、このケースも、同じようにしたらよかったんじゃないの?」と思うかもしれませんが、でも、それは、その通りではありませんよね。

 

同じ子どもはいませんし、状況は人それぞれ違います。


同様な対応をしても、仮に、この時は登校を再開して何とか収まっても、本質的な問題が解決していない限り、また、時を変えて、別の問題が起こってきたり、もっと大きな問題になる可能性もあります。

 

そう考えると、今、休んでくれた方がいいかもしれない。

  

子育ては、何がベストな選択かなんて、本当にわからないわけです。

   

 一人ひとりが子どもを前にして「あり方」を考えていくとき 

 

「じゃあ、どうすればいいの?」「手立てはないの?」

  

これが知りたいですよね。ですが、この「本当にどうすればいいのか」というこそ、一人一人が子どもや自分と向き合って一生懸命考えることであり、それまでの関わり方を見直す時なのだと思います。

 

親の対応が子どもにどう響くかは、今の親子関係の関係性の質によって大きく変わってきます。


先程の「何やってるんだ!」

これは、部活の顧問の先生とその子どもとの1対1の間で、「信頼関係」ができていたからこそ、伝わったコトバと言えるでしょう。

この「信頼関係」とは、子どもからの信頼が得られているか?が大切です。先生や親が「大丈夫です」「あの子のことは私が一番知ってます」「信頼関係は出来ています」っていうのは、親からの視点ですから要注意。

「信頼関係」がホンモノか?親の一方的な思い込みでないか?確認してみてください。

子どもは、意外と親に気を遣って「いい子を装っている」ことも多いのです。

子どもは「親が自分をどう扱っているか?」「自分を支配しようとしていないか?」という、親や大人の対応に敏感に反応しながら、自分の処し方をうかがっています。


「いい子」を装っていたのだとしたら、その方がメリットがあるからでしょう。


「いい子」でいられなくなったのだとしたら、自分が壊れてしまいそう、偽るのが嫌になったとか、苦しくなるとか、デメリットの方が強くなったからだと思います。


いずれにしても、子どもが学校に行きたいのに行けなくなるのは、子どもからS.O.Sが出ていることは事実ですよね。


学校に行くか、行かないか、という 目に見える行動の問題だけでなく、 子どもからS.O.Sと捉えて、彼らをとりまく親の関わり方がどうであるか?も見直していくことをお勧めします。

子どもからS.O.Sは、子どもの心の叫びであり、親に「本当の自分」に気づいてもらいたい!変わってもらいたい!のサインかもしれません。

 

2、問題を起きる前に予防する「聞き方」の技能 

異変に気づいたらすぐに「心のケア」をしておく

さて、問題が大きくなってしまうと、親子共に相当なエネルギーを使います。それは悪いことでなく、むしろ親子の成長にとって乗り越えるべき大切な過程。

 

ですが、やっぱり避けられるのなら、避けた方がいいのではないかと思うのも事実。「避ける」というより「小さな問題のうちに本質的な問題を解決しておく」と言ったほうがいいかもしれません。

 

つまり、高校生の学校が留年とか退学などの大きな問題になる前に、 日頃から子どものS.O.S.にアンテナを立てて「彼らのありのままの姿」を受け入れる親になるよう、あり方や言い方を見直しておきたいのです。

 

子育ての「今」とは、親の日常会話の積み重ねの結果だからです。


親子は毎日「何らかのやり取り」すなわち「コミュニケーション」をしています。なので、その時点で「わだかまり」「異変」「サイン」「シグナル」に気づいたら、「心のケア」応をすることができます。小さな問題だと早期に解決が可能です。


私たちは本当に伝えたいこと、聞いて欲しいこと「本心」「ホンネ」「本当の自分」をどれくらい「親」に言えているでしょうか。いえ、親に言う以前に自分でもわからなくなってしまうことがあると思います。「言いたくても言えない」「何が言いたいのかわからない」そんな時は、どうしたらいいか、自分でもわからなくなってしまっているかもしれません。

人は「不安定な気持ち」のままだと、冷静に考えることはできなくなります。こんなときは、まず「不安定な気持ち」をケアすることが大切です。

悔しいのか、悲しいのか、腹が立つのか、もどかしいのか、羨ましいのか、ひがんでいるのか、傷ついているのか、ガッカリしているのか、情けないのか、なんかわからないけれどただ泣きたくなるのか・・・


わだかまりなのか、戸惑い不安なのか、ただ、言いたいだけのことなのか、ちゃんと言うべきことなのか・・・


私も、色んな事が、ごっちゃになることが未だにあります。それは、きっと頭の中で言いたいことが曖昧なままで、整理されていないからです。


今は情報化社会で、あらゆる情報が常に入ってきますよね。傷つきやすい純粋な子ども達は、色んな事を別の角度から色々言われて、頭の中がゴチャゴチャになりがちかもしれません。


繊細な気質を持ち合わせていると、人の気持ちを裏読みしすぎて、無限ループに入ります。頭の中がパンクしてしまうと、身動きが取れなくなり、もう、堂々巡りで一人で考えられなくなりますよね。


こんな時、誰かに話を遮らずに聞いてもらうと、スッキリした経験はありませんか?

話を遮らずにかつ共感的に聞いてもらう事で、人は自分のモヤモヤを自分で整理することができます。

子どもが小さい時も親がサポートしてあげることができます。子どもの頭の中に色々でてくる「断片的な思い」を丁寧に丁寧に、否定しないで聞いてあげるのがおすすめです。


「学校に行きたくない」と言われた時の聞き方はこちらで聞いてあげると、子どもの頭が整理するのに役に立ちます。

頭の中のモヤモヤ、ゴチャゴチャを、すべて出せると、自分が何をモヤモヤしているのかがわかります。人は、誰かに話すだけで「モヤモヤしている自分」をわかってもらっただけでも、それだけで解決することもあります。

または、どうにもならない問題に悩んでいることもありますが、それも「本人がそう感じている」時点で本人しか解決できない問題です。

ですが、親に「自分の苦悩」を受け入れられた、理解された、という実感は、子どもに自分の感情に親しみを覚えます。どんな感情が溢れてきても、大丈夫だと思えることは、自分を肯定することになり、子どもを元気にします。

自分の問題を自分で解決できると、子どもは自信をつけていきます。子どもの目が落ち着き、輝いているのがわかるようになります。

この聞き方は、心理専門家が使うカウンセリングの手法です。「会話の奇跡」と言われるほどの、本当に効果がある聞き方です。なので、ぜひ、すべてのお母さんが持っていてほしいと願います。

子どもの行動にはすべて理由があるから

人は、道に迷ったら、ほとんどの人は立ち止まりますよね。


自分の目的地に向かうために、どう進んでいけばいいのかわからなくなる時、人はいったん止まります。


「この道をゆくと必ず幸せになるよ」と信じていた道が「あれ、この先に本当に幸せがあるの?」と信じられなくなる時に、立ち止まるのは無理のない事だと思います。それは、自分の人生をどう進んだらいいか、曖昧にしないで、自分で自覚して進んでいきたいからだと思います。


いま、色んな価値観が混在して、生き方も多様化しています。


私たちの子どもの時代は、学校に行くことはあたりまえの事でした。なので、疑いもしないで学校に行っていました。


でも、今は学校に行かない子どもが教室に必ずいます。そんな時、ふと疑問を持ってしまう子どもは多いでしょう。でも、学校に行く意味も、勉強する意味も、子どもが心から納得するように教えてくれる大人がどれだけいるでしょうか。


子どもも大人も自分の人生をどう生きていくかについて、今まで以上に考える機会を持たざるを得なくなっているのかもしれません。でも、これは本来はすべての人が主体で生きていくためには必須なことだったのかもしれません。


だからこそ、日常的に家で親が安心して何でも吐き出して言える環境が整っていると、子どもは自分で整理しながら、自分でどうするかを考えて、問題解決力を育てていきます。


この環境をつくるために、やるべきことは「聞き方」の質をあげることです。子どもが何でも打ち明けられるよう、まずは「否定されたと感じる言い方」をしないです。

 

些細なやりとりの中でこそ、ちょっとした「言い方」に気を付けると、その後の関係性や心の成長、責任感が変わってきます。 

  • 心の成長を阻んでいる関わり方をしていないか?
  • プライドやメンツを傷つけていないか?
  • やる気を殺いでいないか?
  • プレッシャーをかけすぎていないか?
  • 自分の人生を歩んでいる実感を持たせているか?
  • 親自身が、依存的に生きていないか?

 こんなことをチェックしてみてもいいんじゃないでしょうか?


親業では、親がやりがちな「おきまりの12の型」という、今の言い方を見直すための「チェックツール」があります。

おきまりの12の型

子どもが言いたいことを言えなくなる「コミュニケーションを妨げる障害となる言い方」です。例えば、子供が「学校行きたくない」と言ったとき、、、

 

1.命令・指示 「イヤでも行きなさいね」

2.注意・脅迫 「みんなと遊べなくなっちゃってもいいの?」

3.説教・訓戒 「人生にはね、やりたくなくてもやらなきゃいけないことがあるものよ」

4.解決の提案 「今日はもう早く寝て、明日先生に相談してみたら?」

5.講義 「学校に行きたくないっていうことは、勉強のやり方が間違っている場合が多いんだよね」

6.非難 「何言ってんの?甘えてるんじゃない?」

7.同意・賞賛 「じゃあ学校なんて行かなくていいんじゃない」

8.侮辱・悪口 「弱虫ね。見損なったわ」

9.解釈・分析 「テストの成績が悪かったからそんなこと言ってるんでしょ」

10.同情・なぐさめ 「まあ、かわいそうに」

11.質問・詰問 「なぜそんな事思ったの?いつから?いじめられてんの?」

12.ごまかし・注意をそらす 「まあまあ、お茶でも飲もうよ」


ぜひ、役立ててください。

言い方を変えるのが、彼らの心を溶かすには、いちばん即効性があると感じます。


ちなみに、

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