毎日の暮らしの中で、子どもはどのくらい母親のコトバを耳にしているでしょうか。
私は、親業インストラクターとして、親の日常会話を点検していますが、子どもはほぼ親のコトバ通りの行動をしているなと痛感します。
母親の無意識レベルで発するコトバが、彼らの人生に大きく関わっているということです。こう書くと少しプレッシャーになるかもしれませんが、それくらいお母さんのコトバは良くも悪くも子どもへの影響が何倍にもなりやすいんです。
だからこそ、自分のコトバの影響を「知る」だけでも、子どもの雰囲気や態度など、すごく変わりますよ。
シャワーのように浴びせているコトバを、子どもの心の成長をうながすものに代えていけると、日常生活の中で、親子関係の質がジワジワと底上げされます!
実際に子どもの反応が目に見えて変わる手ごたえがつかめると、親としての小さな自信が生まれてきます。
日常にあふれるもったいない一言の違い
あなたは、たった一言で、伝わり方がまるで違う事に気づいていますか?
例えば、あなたが今日の晩御飯何がいい?と夫に聞いた時、
親子丼でいいわ
親子丼がいいわ
と言われたら、どんな気がするでしょうか。夫は何気なく言っているかもしれませんが、一言で受け取るニュアンスが違ってくると思うのです。
違うのは、「で」と「が」だけですが、そこには明確な違いがあります。意味が変わるのです。人にとっては色んな「解釈」があり、微妙な「ニュアンス」を聞き取ります。
人は、自分の解釈したことで相手が自分をどう思っているかをくみ取ります。微差が大差になっていくんです。
子どもが親にあまり話をしなくなる理由
「気持ちを逆なでされるようでかえってやる気がなくなる、、、」なんて言われる時は、あなたの何気ない「その一言!」が子どもの機嫌を悪くしている原因かもしれません。
「勉強しなさい。塾は?大丈夫なの?」
「スマホばっかりやってるから勉強できないんじゃない?」
「今のままでは浪人よ。知らないわよ。」
「大学くらい行かないと、苦労するわよ。」
これは、親からすると事実かもしれません。ですが、この言い方を続けていても子どもが動かないのは、響いていないから(-_-;)
これは、あまり知られていないし、どちらかというと親が子どもを応援するつもりで言っているコトバが多いですよね。
もしかしたら、あなたも気づかないままに「子どもにやる気になってほしい」と思ってかける一言が、「やる気を殺いでしまっている」かもしれない。なので、自分の普段のコトバを点検してみてほしいのです。
そして、逆効果な言い方になっているとしたら、まず、そこに気づくことが大事です。
彼らのやる気を心から応援し、促していきたいのであれば、そこを効果的な言い方に変えていけばいいわけなのです。
日常にあふれるもったいない一言を理論的に理解
コトバは、自分が思う以上にたくさんの情報を相手に伝えています。
親が、勉強やスマホ問題を解決するためには、まずおすすめは、親子関係を深めるとはどういうことか?基本的な考え方や原理原則を知ることです。そして、実際のコミュニケーションレベルでのやり方を学ぶこと。
実際のコミュニケーションのレベルに落とし込めることで、はじめて、逆効果のコトバを言ってしまうことを防ぎます。
「足し算」も大事ですが、実は余計な一言を言わない「引き算」だけでも、効果が違ってきます。
コミュニケーションを阻む12の障害
子どもの自尊心を傷つけるリスクのある言い方です。例えば、子どもが「勉強なんてしたくないよ」と言ったとき、、、
1.命令・指示 「イヤでもちゃんとやりなさい」
2.注意・脅迫 「進学できなくなってもいいの?」
3.説教・訓戒 「人生にはね、やりたくなくてもやらなきゃいけないことがあるものよ」
4.解決の提案 「やる気が出ないなら今日はもうやめて、明日の朝からやってみたら?」
5.講義 「勉強がしたくないという時は、勉強のやり方が間違っている場合が多いんだよね」
6.非難 「何言ってんの?甘えてるんじゃない?」
7.同意・賞賛 「じゃあやらなくていいんじゃない」
8.侮辱・悪口 「弱虫ね。見損なったわ」
9.解釈・分析 「テストの成績が悪かったからそんなこと言ってるんでしょ」
10.同情・なぐさめ 「まあ、かわいそうに」「お母さんも勉強なんてきらいよ」
11.質問・詰問 「なぜそんな事思ったの?いつから?どの科目がいやなの?」
12.ごまかし・注意をそらす 「まあまあ、お茶でも飲もうよ」実際の「言い方」をかえるには意識づけとトレーニング
新しい言い方が分かっていても、実際に子どもを目の前にしているとなかなか思うように口からコトバが出てこないものです。これは、コミュニケーションとは「技能」であり、コトバを実際に口に出して言ってみる「訓練」をしていないから。
車の運転が「イメージする」だけで上達しないように、技能とは実際にやってみることが上達の近道です。 体験的に実際にコトバを交わしながらトレーニングをすると、親のコトバの「地雷ワード」もリアルにわかります。
リアルな体験を通して、親が子どもの為に一生懸命に欠けているコトバが伝わるどころか、子どもを傷つけていることがハッキリとわかります。「ここまでひどいとは思わなかった(愕)」と言われる事も多いのです。だからこそ、伸びしろだらけなのです~。
子育ては技能です!
技能として、「一言の違い」を少しずつ練習すると、親子関係を改善するコトバを具体的に落とし込んでいけますよ。
コトバ出しはまずは、引き算で考えてみる