子どもの自立・自己規律心が育つ家庭環境をつくる親の学び場
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「学校に行きたくない」小学生の娘に言われても慌てずにすむ必須スキル

「学校に行きたくない」小学生の娘に言われても慌てずにすむ必須スキル

「明日、小学校に行きたくない」

 

急に子どもにそう言われたら、ビックリしますよね。


「不登校」と言うワードが頭をかすめて、慌ててしまうかもしれません。


親業訓練講座に参加される受講生さんの中でもこの話題はよく出ます。子どもさんからよく言われるワードに「学校に行きたくない」があるのです。

 

なんで?

大丈夫?

何かあったの?

どうするの?


こんな時、内心ドキドキしながら対応して、かえって「逆効果」になってしまうのは避けたいものですよね。

 

でも、不安になっているのは子どもなのです。


学校へのモヤモヤした気持ちを抱えている子どもを、心から助けるための効果的な対応が、慌てずに、さらっ〜〜と出来たらいいなって思いませんか?

 

親がどう関わってあげるかで、その後の親子関係や登校の意欲も変わってくることもあるのです。場合によっては、大きな問題を抱えているかもしれません。

 

子どもがなんだか元気がなくて心配な時、問題を長引かせたり、ムリに行かせたり、感情を逆なでしたり、こじらせたりしないで、現状を見極めながら、慌てずに関わってあげられたら、どんなに安心でしょうか〜

 

親ならぜひ知っておいてほしい「奇跡を起こす聞き方」がありますのでご紹介しますね。

 

よくある一般的な子育ての対応では限界がある

その前に、まずは、ある雑誌で紹介していた親子の会話例を紹介します。 


この親子関係は、すごくステキ!!と言うのは間違いないのですが、でもね、私としては「もったいないな~」と思うのも正直なところなのです(汗)


かなり一般的な内容です。あなたはどう思いますか?

娘「明日学校に行きたくない」

 

母「(抱きしめて)そうなんや、行きたくないのね・・・」

 

娘「行きたくない・・・」

 

母「わかる。お母さんも学校に行きたくなかったのよ」

 

娘「そうなの?お友達がいなかったから?」

 

母「うん、そう。お友達がいなかったから。お母さんはいつも一人ぼっちやったから」

 

娘「・・・・・」

 

母「ねえ、小学校に行きたくないのは何か困ったことがあるの?」

 

娘「困ってないけど、イヤやねん」

 

母「お母さんみたいにお友達がいないから?」

 

娘「お友達はいるよ。一人だけど」

 

母「お友達はもっと多い方がいいと思ってるの?」

 

娘「お友達は多いほうがいいと思う。けど、お友達ができないの・・(泣)」

 

母「そうか・・・。あのね、お友達は多くなくてもいいのよ。お友達は少なくてもいいの。一人でいててもいいのよ。しゃべりたくなかったら、しゃべらなくてもいいのよ。あなたは普通にしてたらいいのよ。普通にしているそのままのあなたがお母さんは大好き。お友達が多いことがスゴイことじゃないのよ。一人でいてもいいの。お絵かきしてたらいいのよ。しゃべらなくてもいいのよ。そしたら、誰かが話しかけてくれるかもしれないわ!」

 

・・・(つづく)・・・


 このお母さんは、娘さんを励まして、勇気づけて、自信がでるよう、自分も友達がいなかったことを明かしました。友達が出来なくて落ち込んでいる娘に、自分も淋しかったということで、「自分だけじゃない」と思って欲しかったのでしょうね。

 

そして、肯定して 「大丈夫だよ」と言っています。

  

本当にステキな会話 、、、なのですが、、

 

「親業」を使うとさらにこんなことが起こります!

   

子どもの心に寄り添う「だけ」が、子どもの考える力をのばす 

では「親業」を使った会話の例を紹介しますね。


娘「明日、学校に行きたくない」

 

母「あ、、そうなんや。」

 

娘「行きたくない・・」

 

母「行きたくないんやね・・」

 

娘「うん・・・」

 

母「・・・・そっか・・・」

 

娘「・・・・・(沈黙)」

 

母「・・・何かあったのかな?聞きたいな」

 

娘「・・・(沈黙)あのね、今日ね、お友達に声をかけたの」

 

母「声をかけたのね」

 

娘「うん、でも無視されたの」

 

母「無視されて、ショックだったんやね」

 

娘「そう。ガンバって話しかけてみたんだけど、何も言ってくれなかった・・・」

 

母「何も言ってくれなくて、淋しかったのかな。」

 

娘「うん、(泣)」

 

母「お友達になりたかったんやね」

 

娘「うん、なりたかった(泣)」

 

母「なりたかったのね・・」

 

娘「・・沈黙(考える)・・・・でも、いいや。私にはもうお友達がいるから。」

 

母「お友達がいるのね。」

 

娘「そう。あのね、その子は○○ちゃんと言って犬を飼ってるんだって。いいなあ〜。明日犬の話を聞いてみよ〜」

 

母「明日、楽しみね」

 

(ま、こんな会話になるとも限らないんですがニュアンスで感じて頂けたらと思います)


雑誌の例を、親業の考え方で変更してみました。


2つの違いが、わかりますか?


子どもの問題を解決したのは誰か?

親業の聞き方を使った例では、子どもの心に何が起こったのでしょうか?


ここでは、親は「自分の意見」や「価値基準」などは言わずに、聞くに徹していますね。なぜなら、彼女の心のモヤモヤを「根本的に解決できる」のは、本人だけだから。


子ども自身がツライ気持ちを抱えているわけですから、親として自分の考えは、何も言わず、ひたすら、耳を傾けることに集中しています。


これは、親業のツールの1つ。親業では、親が「サポート役に徹する方法」です。

 

子どもが自分で自分の気持ちに向き合って、気持ちを自分から切り替えていくよう、子どもを一切否定せずにありのままに肯定し、援助側に完全に徹することをやっていきます。

 

すると、お母さんに何でも話せます。話すうちに、友達に話しかけて、無視されて、淋しかった自分、友だちになりたかった自分など、自分自身に意識が向くのです。

 

話すうちにモヤモヤが整理されて、その後で、自分は一人でないこと、他の友達がいることに気づいていくことが多いです。

 

親業を創始したゴードン博士が「会話の奇跡」と言われた特別な聞き方です。


この聞き方があると、お母さんが娘さんにとっての「安心・安全な場所」になっているのです。

 

何を言っても大丈夫。自分の弱い部分、ブラックなところだって、全てをさらけ出してもいいって思える「安心・安全な場所」

 

これが、ありのままで良いと受容されるということです。アドバイスしないことで 100%の信頼って伝わるんです

 

これが、すっごく大切!

 

お母さんは、自分の考えを言わないことで、

 

「この状況を抜け出させてあげよう」

「私がこの子を立ち直らせてあげなくちゃ」

 

という、親の立場でなく、対等な人として信頼していることが、子どもに伝わります。

 

お母さんが「あなたをありのままで受け容れてる」って思っていることを、子どもが自身が感じられる!←ここが大事

 

大好きなお母さんが、自分を信頼しているってことが、実感としてバッシーーーーンと胸に届いた時、子どもは、冷静に深く考えられるようになります。

 

すると、心の中にあったモヤモヤが自分で整理できて、自分から色んなことに気づいたり、発想が湧いてきたりします。

 

この子は、心のモヤモヤを自分で解決してるんですよーーー

 

特別な聞き方については、こちらの記事も参考にして下さい




 アドバイスしないことで伝わる「母親の無条件の愛情」 

 ほとんどの親は、子どもに良かれと思って、指示、提案、アドバイスをしています。

アドバイスは、タイミングが悪いと否定が伝わります。これは、子育ての盲点というべき事実かも知れません。

親業ではアドバイスしたいのであれば、必ずタイミングを見極めるように学びます。

 

この理論が腑に落ち、実践できるようになると、子育てが劇変します。だってね、世の中のお母さんたちは、みんな、子どもの為に一生懸命に、アドバイスや助言、提案、講義をしているんですから!

 

でも、そのお母さんのコトバが、時に、子どものやる気や考える力を奪っている事があるって、知っていましたか?

 

子どもは、元々、素晴らしい力を秘めているのです。

 

子どもの力をみくびってはいけません!

 

 

もちろん、子育てには、大人が介入しなければいけない場面もあるでしょう。でもね、あなたが日常的にこのように聞けるようになると、子どもの考える力や問題解決力が、もっともっと、沸き立つように、伸びていきます。

 

親業を学んだ方は、まず、その事実に愕然とします。

 

たった一言で、子育てがガラリと状況が変わる事実。それは、実践した方から更に腑に落ち、確信となります。 そして、今まで子どもの成長のチャンスを奪ってきた事を、とっても後悔されます

 

 子どもは自分の問題を自分で解決する力を持っている

 

子どもは自分で自分の問題を解決する力を持っています。

 

そして「親業」では自分の問題は自分で解決するのが望ましいと考えます。なぜなら、結局、イヤだなとか悩みとかふさぎ込むこととか腹が立つことは、とっても個人的なその人が持つ感情・気持ちなんです。

 

なので、親であっても子どもの気持ちを切り替える事はできないし、気持ちはその人にしか何ともできないことなのです。

 

そして、子どもの問題を親が肩代わりするのでなく、子どもが自分の問題に向き合うための親のスタンスを大切にしながら、関わり方を決めていくんですね。

 

親にありのまま受容されてると、子ども自身が感じることはとても効果的です!

 

安易な褒め言葉や、慰めの言葉では、その場しのぎになり、かえって子どもの「依存性」を高める場合があるのです。

 

親のコトバが変わると、子どもの反応がまるで変わってきますよ!これは、幼児も小学生も中学生も、高校生だって同じです。

 

ただ、高校生くらいの子どもに接する時は基本的な考え方は同じですが、親が受ける深刻さは大きくかわるかもしれませんね。

 

ちなみに中高生の子どもが「学校に行きたくない」と言い出した時の心構えについてはコチラに書いています



子どものS.O.Sには、子ども自身の成長を促すスキルをそなえるのがおすすめ


子どもの心が成長する原理原則は、実はとてもシンプルです。

 

子どもは自分で自分の問題を解決する力を持っています。

 

問題は、これをあなたがご家庭で「実践」することです。

 

子育ての一般に良いと言われている関わり方とは、一味ちがう親業の関わり方。あと伸びする子を育てたいならイチオシのスキルです!

 

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