親の言葉の真意を、子どもが理解できるようになるのは、いつ頃からでしょうか?
出ていけは出ていけとしか解釈できない
夜になっても 宿題ができていなかったことを 父親に叱られ「出て行け〜〜」と言われました。私の家では、学校の宿題は、帰宅後すぐに済ませておくようにと言われていました(でも、やってなかったと思う)
それで、しばらくは玄関の前にいたんですよ。だって、どこも行くとこなんてありませんでしたからね。
しばらくしたら、2歳年上のお姉ちゃんが、ワタシのところに来て「家に入り・・」と促してくれました。でも、私は全く反省していません。そもそもそんなに悪いことをしたという自覚もない。なので、なぜ家を出なくちゃいけなかったのが、ピンときていなかったんですね。
なので、姉に促されるまま家に入ったわたしは、父の何も言いませんでした。(つまり謝らない)
そんな私を父はチラリと見て言いました。「何しに入ってきたんや」と。
私「・・・(無言)」
私が謝らないので、父も面目が立ちませんよね。 なので、もう一度「出ていけ」と、家から出ていくことになりました。
しばらく、玄関の門の前に立っていました。
どうしようかな。
そのうち、寒くなり、近くの公園のヨコにあったお地蔵さんの隅っこに移動することにしました。そこは、子どもが一人くらいは入れるスペースがあって、ここなら風が吹き付けません。
わたしはお地蔵さんのそばでじっとしていました。
何分くらい経ったでしょうか。
しばらくすると、暗がりの中、女の人が懐中電灯を持って歩いているのが見えました。
あっ、お母さんです。
わたしを見つけて「あっ」と言い、「帰ってきなさい」促されるように安心したように私を連れて帰りました。
家に着くと、父がいなくて、車もありませんでした。
しばらくして、車に乗った父が帰ってきました。わたしは、まだ何も言っていないので、また怒られるのかなとドキドキしましたが、父は何も言いませんでした。
驚くほど無口で淡々と動いていた両親でした。
姉が一人で興奮した口調で慌てていたので、私は不思議な気持ちがしました。でも、あんなに怒っていたから「宿題のことはもういいのかな?」とも思いました。
同じ子どもでも能力が違う
「宿題をやらないヤツは、出て行け〜〜」 が 姉には「これからちゃんと宿題をやります、と言え〜〜」と聞こえたそうです。
父の 本心 がわかるらしいのです。
すっご〜〜〜いお姉ちゃん!
さすが
当時のわたしには、「出て行け」 は 「出て行け」 としか 聞こえませんでした。
「出ていけ!と言われているのだから、大変だ、出て行かなくっちゃ〜」と思ったのです。
父の想いはどこにあった?
父の行動は、現代ではアウト!な行為なのですが、今なら、その真意も少しはわかる気がします。
父の伝えたかったことは、家庭のルールを守る事だったのだと思います。そして、郷に入っては郷に従え、親の庇護のもとでは親の言うことを聞け、ということもあったかもしれません。
上には従え
それは父が生きてきた時代に女性が幸せになるための「価値観」だったのかもしれません。
でも、その表現は一方的でした。怖がらせて、親の支配下におく、というやり方を父はよくやりました。だから私は、 親のやり方から、その真意を読み解くことができませんでした。
コミュニケーション力は子どもは未熟だから
私のように「言葉通り」にしか受け取れない子どもは、とても多いのではないかと思うのです。
子ども自身がそもそも未熟な存在ですから、はじめから高いコミュニケーション力を求める事も酷ですよね。私もやっとコミュニケーションの本質を少しは理解できるようになってきましたが、かなり時間がかかりました。
核家族の時代になり、子どものコミュニケーション力の乏しさがますます懸念されています。
だけどね、親も実は下手だったりしますよね(笑) 違う価値観を持つ人を受け入れる言い方は、コツがあるので上手くない人が多いです。
そしてコミュニケーションパターンは自然に生まれ育った環境のものが受け継がれていることが多いのです。「なまり」みたいに知らないうちに身に沁みついていることが多いです。
コミュニケーション力とは、そもそもシンプルなものです。相手の気持ちを読み取る「読解力」と自分の気持ちを伝わるように表現する「表現力」です。
以前の私は、子どもの胸の内を聞きたくて聞きたくてうずうずしていました。なので、気になることがあると「なんで?」「どういうこと?」という質問(尋問かもしてません)を繰り返していた気がします。
親業を学んで、子どもが口をつぐんでも「あ、この先はもう、やめておこう」と自分の気持ちにストップをかけることができるようになりました。
深追いしないのです。
すると、後から子どもの方から話してくれることが増えたんです。聞きたいことが問い詰めなくても子どもから話してくれて。
あ〜こういう風にやればいいんだなって、なんとなく掴めた気がします。
親業訓練講座でまず初めに学ぶ「行動の四角形」という「概念」であり「ツール」です。
するとね、
自分と子どもとの間で何が起こっているか?が
驚くほど、客観的に観えてくる。
人は皆、自分の「色メガネ」「レッテル」みたいなものから物事を捉えているから、
あ〜〜〜っつ
って(笑)
ご自分では見落としていた視点がわかる瞬間
そして、普段、無意識のうちに言ってしまうコトバ、
良かれと思って言っているコトバ、
ここの検証も超興味深く、
パッコーンと、
驚きがさく裂!
そう思い続けて、ご自分とも向き合ってこられたからこそ、思えるものだと思う。
いつもの場所で
いつもの笑顔で
いつもの距離でお迎えできるように、
自分を整えていたいです。